弘泉堂鍼灸接骨院
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目の復活
2022年06月21日 [からだのこと]
お疲れ様です。院長です。

6月21日の火曜日でございます。

6月も残り10日を切りました。

にしちゃ、全然雨が降らないですなぁ。

まぁ、蒸し暑いのはありますが、雨が今年は少ないです。

後半にまとめて降るとかやめて欲しいなぁ…。

では今日のネタですが、脳死の定義が覆るかもしれません。

なんと、アメリカの研究グループが、死んだ人間の「目」を復活させることに成功したんだとか…。

一体、復活とはどういう状況なんでしょう。

死後5時間経過していた目に酸素と栄養を与えると、細胞のコミュニケーションが回復し、「網膜」を光で刺激すると、これに反応して「b波」という電気信号が発生したらしいんです。

b波は生きている細胞で見られるもので、モノを見るときに重要な働きをする「黄斑」の細胞同士がコミュニケーションを交わしているサインと言われています。

死亡した人間の目のこのような光への反応が確認されたのは史上初だという事ですから、とんでもない事なんでしょうね。

人が死んでしまったとしても、一部の臓器を移植することが可能な事はご存知でしょう。

ですが、「ニューロン(神経細胞)」のような中枢神経系は、心臓が止まって酸素が供給されなくなるとすぐに活動を停止し、二度と回復しないと言われています。

しかし、どのニューロンも同じタイミングで機能停止するわけではありません。

場所や細胞の種類によって生存メカニズムが異なっているからで、これは脳死が複雑な現象である要因でもあるわけです。

もし脳が酸素不足にどう対処しているのか理解できれば、失われた脳機能を回復させるヒントになるかもしれないんですな。

これについて、いくつか有望な研究がすでにあるにはあります。

例えば2018年、イェール大学の研究グループが、死んだ豚の脳を36時間生かし続けることに成功しました。

このグループはさらに死後4時間経過後に、わずかですが、脳の反応を回復させることにも成功しています(ただし、脳波として計測できるような組織的な反応ではないと言われています)。

こうした成果は、人工血液・ヒーター・ポンプで脳に酸素と栄養を補給して実現されたものなんですね。

これと同じことは、マウスと人間の目でも可能であるようなんです。

ここは神経系で唯一、外に露出している部分でもあります。

今回これを試したのは、米ユタ大学とスクリプス研究所のグループでした。

彼らはすでに死んでいる臓器移植提供者の目に、酸素と栄養を補給し、ニューロン同士の同期活動を回復させることに成功しました。

「網膜細胞同士の会話を復活させました。

視覚を司る目が生きているときにやっていることです」と、ユタ大学のフランス・ヴィンバーグ氏は語っています。

「過去の研究では、臓器提供者の目の電気活動を限られた範囲で回復させることはできましたが、黄斑で、しかもこれほどの範囲で成功したのは史上初のことです」と…。

この研究では、死後5時間経過している網膜細胞が光に対して再び反応しましたが、酸素不足のためか、その後すぐb波は低下したという話しです。

一時的に網膜の細胞が復活したからといって、もちろん目が見えているわけではないようです。

そもそも脳が活動していないので、映像が作られ、それが認識されることもないわけですが…。

しかし脳死は「ニューロン間の同期活動の喪失」と定義されることもあります。

この定義に従うなら、今回の人間の目は完全には死んでいなかったことになるわけです。

網膜は中枢神経系の一部です。

ゆえに今回確認されたb波の回復は、脳死が現在定義されているように、本当に絶対に回復しないものなのかどうか疑問を抱かせる結果であると、論文では述べられています。

「光受容体」という特殊なニューロンをある程度回復させられるのなら、将来的には移植手術で、目を患う患者の視力を回復させることもできるかもしれません。

それは長い道のりになるでしょう。

移植する側の網膜細胞を、移植される側の網膜回路に自然につなげる必要があるからですな。

これは今、研究者が取り組んでいる難題なんだそうです。

ですが、目のドナーや動物モデルにとっては大きな意味を持っています。

「今回の研究により、実験動物では無理だった方法で、人間の視覚を研究できるようになりました」と、ヴィンバーグ氏は話しています。

こうした結果が、臓器移植に関連するコミュニティ、ドナー、アイバンクなどを前向きに動かすことになれば、と彼は願っているそうです。

まぁ、これはこれでかなりの進歩と言えるんじゃないでしょうかね…。

少なくとも、ニューロン同士の同期活動を復活させたわけですし、これからその時間を伸ばす方法を模索するのは、そこまで難しくない気もします。

が、移植となるとまた話しは別ですから、まず、確実に復活させられるようになってからですかね。

この研究も、今後の展開に期待したいところですな。

ではまた〜。














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