弘泉堂鍼灸接骨院
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「腸発酵症候群」と「糞便移植法」
2020年09月07日 [からだのこと]
お疲れ様です。院長です。

9月7日の月曜日でございます。

9月も1週間が過ぎ、だいぶ秋らしい瞬間も出てきましたかね。

まだ昼間は暑いけどね〜。

朝晩、特に朝は結構涼しくて、秋らしい気持ちよい気温なんですが、それも7時くらいまでですな。

そこからの温度の上昇は、ほんと地球のシールドが、わやになってるんやなぁと実感出来ますね。

去年も一昨年も、10年前も、9月7日の太陽の位置は、ほとんど同じなんですよね。

地球までの距離、日本までの角度、ほとんど同じです。

なのに、こんなに暑いなんて…。

このままいったら、太陽が人類を滅ぼしちゃうかもしれませんぜ。

てな、秋の始まりですが、今日も元気にネタ突入といきましょう。

このブログでも、何回か紹介してるんですが、世の中には自分の体内でアルコールを醸造してしまう人が稀にいます。

腸内細菌が発酵したり、または膀胱で発酵させてしまう人なんてにも紹介しました。

この不思議な症状は、「腸発酵症候群」、あるいは「自動醸造症候群」と呼ばれており、お腹の中で勝手にアルコールが作られてしまい、そのせいで酔っ払ってしまうわけです。

腸発酵症候群になると日常的に酔っ払うことになるので、生活に大きな支障をきたすようになりますし、ある男性もこの病に悩んでいました。

そこで娘から便をもらい、その中にいる糞便微生物を小腸の中に移植しました。

すると症状は治まり、34ヶ月経過後も、快適な日常を過ごしているというお話しなんです。

47歳の男性は、抗生剤を服用後、お酒を飲んだわけでもないのに、不意に酔いが回ってくるようになりました。

「腸発酵症候群」を発症したわけですね。

そして、ついに警察の検問で酒気帯び運転とみなされてしまい、運転免許を失う羽目になってしまいました。

そんな彼を救ったのが便の移植だったんですね。

便の移殖って、ちょっとどういう事か分かりませんが、じつは腸発酵症候群の原因は、腸内にひそむ酵母の仲間だと考えられています。

この酵母が腸内に流れ込んできた炭水化物からアルコールを作り出してしまい、そのせいで酔っ払ってしまうんだと…。

お酒造りには欠かせない酵母ですが、お腹の中で勝手に作られてはたまったもんではありません。

腸発酵症候群の患者の中には、お酒を飲んだわけでもないのに、酒気帯び運転の基準となるアルコール血中濃度の4倍にも達してしまったような事例もあるそうです。

そうしたわけで、一般的には炭水化物を控えたり、抗真菌薬を服用したりするのが治療法なんですが、今回の男性の場合、どちらもあまり効果がなかったそうなんです。

そこで娘さんの健康な便から腸内細菌をもらい、崩れてしまった腸内細菌のバランスを整えるという糞便移植に挑んだんだそうです。

糞便移植の方法は、健康なドナーの便を採取して患者の腸内に注入するというもので、患者の腸内細菌叢を、健康な人のより安定した、病気に強い微生物叢に置き換えることにあるんだそうです。

そして今回、その治療法が功を奏したというわけなんですね。

血糖値の高さは酵母の活動を促すので、糖尿病や肝硬変の患者は特に腸発酵症候群になるリスクが上がると言われています。

また腸内バランスを崩しがちな、消化管の手術を受けた人や抗生剤の投与を受けたばかりの人にも同じことが言えるんだそうです。

実際、例の男性は抗生剤を服用していただけでなく、胃のバイパス手術も受けていたそうです。

最近流行っているらしい、この糞便移植ですが、アメリカではこれを受けたことに起因する死亡事故も起きているんだとか…。

ですが、その患者の場合、免疫機能が落ちていたうえに、移植する便の検査等も行われていなかったとのこと。

糞便移植で用いる便中に薬剤耐性菌が含まれていると、便の移植を介して、生命にかかわる重篤な感染症を発症する可能性もあるそうなんですが、日本でもこんな治療あるんでしょうか。

てより、日本人でもこの「腸発酵症候群」を発症することはあるんでしょうかね。

ちょっと調べてみたら、この疾患は、1972年に日本で発見されたと報告されてるそうです。

1972年っつったら、もう50年近くになりますやん。

もちろん、どんな治療法にもリスクはつきものですが、移植する便中に薬剤耐性菌が含まれていないかどうか、スクリーニングや検査の実施を徹底しなければならないのは、これは至極当然の事です。

酒好きの院長としては、身体の中で勝手にお酒が造られるなんて病気、ちょっとワクワクしてしまうんですが、いつでも酔っぱらってるってのは、社会生活がなりたたないよねぇ(笑)

「腸発酵症候群」と「糞便移植法」

もしもの時のために覚えておいて下さい。

ではまた〜。


020907


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