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2018年03月04日 [からだのこと]

(53)サンデーイルネス(仮)横紋筋肉腫について

お疲れ様です。院長です。

3月4日のサンデーイルネスでございます。

桃の節句も終り、いよいよ春爛漫て感じ?

にはまだ早いですが、確実に少しずつヒタヒタと春は迫ってきとります。

やはり、寒いより暖かい方が何となくテンションも上がりますし、行動的にもなろうってもんよね。

てことで、元気よく今日もイルネス辞典に突入ですが、今日は「お」ってことで「横紋筋肉腫」って疾患にスポットを当てたいと思います。

横紋筋肉腫…

あまり聞いたことはないかもしれません。

一般的にはなじみの薄い疾患ですが、年間60人程度は罹患患者があります。

では、どんな病気かみていきましょう。

体を動かすときに使う筋肉を骨格筋といい、骨格筋は横紋筋という種類の筋肉で形成されています。

横紋筋肉腫は、骨格筋になるはずの未熟な細胞から発生した悪性腫瘍であると考えられています。

皮膚、胃、肺などのように、体の表面や内臓を形成している組織(上皮組織)にできる悪性腫瘍のことを「がん」といい、上皮組織以外の骨や、筋肉や脂肪などの軟らかい組織(軟部組織)にできる悪性腫瘍のことを「(軟部)肉腫」といいます。

横紋筋肉腫は、骨格筋以外の、膀胱や前立腺、精巣、鼻の中、眼の奥、腹部や胸部の臓器、肛門などから発生することも少なくありません。

従って、手術などの外科的治療を行う場合には、頭部であれば脳神経外科、手足であれば整形外科、鼻の奥(鼻腔)や喉の奥(喉頭)ならば耳鼻咽喉科、その他泌尿器科や形成外科など多くの診療科に関係します。

横紋筋肉腫の患者の約70%が6歳以下(1歳未満は5%)であり、乳児期、5歳から7歳頃および10歳代に多く発生しますが、まれに成人に発生することもあります。

横紋筋肉腫は、小児がんの2.9%を占めるに過ぎない比較的まれな腫瘍ですが、筋肉など体の軟らかい組織から発生する悪性腫瘍(軟部肉腫)の中では、小児で最も頻度の高いがんです。

自覚症状があまりなく、発症頻度が低いため、腫瘍が大きくなってから初めて気が付くことも多いのが特徴です。

かつては治療が難しく、予後不良な悪性腫瘍のひとつでしたが、今日では70%以上の患者さんが病気を克服できるようになりました。

とはいえ、今でも治療の難しい症例があるのも事実です。

顕微鏡で組織を観察した所見によって、胎児型、胞巣(ほうそう)型、多形型などの細かいタイプに分類され、それぞれ遺伝子的背景、なりやすい年齢や治療成績が異なります。

ではこの病気の原因は何かってことなんですが、複雑な遺伝子の異常を背景としており、詳しいことはわかっていません。

しかし、胞巣型と分類される症例の多くは特定の染色体が配列異常を起こしています。

また、子どもの例では、もともと遺伝子異常を背景にもつ疾患である神経線維腫症(しんけいせんいしゅしょう)やリ・フラウメニ症侯群などにかかっている場合に発生しやすいことが報告されています。

にしても、まだまだ原因不明の疾患であることは間違いありません。

原因不明という事は、基本的に予防できないわけで、そうなった場合、早期に発見出来るかどうかで、予後が随分変わってきます。

ですから、初期症状の現れ方には注意が必要といえるでしょう。

ですが通常、初期の段階では自覚症状はほとんど表れませから、これがまた厄介です。

筋肉の深部に腫瘤が発生して、速い速度で増殖することが多く、大きくなって気が付く頃になると、神経が圧迫されて痛みが出るようになってきます。

また、症状は発生部位によってかなり異なりますので、以下のような症状が見られる時には、医療機関での診察を受けましょう。


泌尿器や生殖器に腫瘍が発生すると、排尿障害や血尿、黄疸の症状が現れます。

男性では陰嚢の精巣近くに腫瘤ができて、睾丸が腫れてきます。

女性の場合は膣の中に腫瘤ができるため、膣から出血することもあります。

顔面にできると非対称に腫れてきます。また、頭痛や顔面痛も起ります。

眼窩(目・眼)をはじめとする感覚器の腫瘍この部分に発生した場合は、目の周囲が腫れたり、物が二重に見えたりすることもありますので、まだ発見しやすいかもしれません。

耳に発生すると耳垂れのほか、片方の耳だけ難聴になったり、聞こえる音の音質が変化するなどの症状があり、鼻にできた場合では、片側の鼻孔だけ呼吸がしづらくなったり、鼻から膿が出たりもします。

また、両手足に腫瘍ができると、硬い腫瘤が急速に成長し、引きずり歩行のような症状が出ることもあります。

こういった症状が見られた場合は、とにかく受診することをおすすめします。

診断には、実際に組織を採取して顕微鏡で詳しく調べる必要がありますし、場合によっては専門的な遺伝子検査が必要となります。

再発率の低い手術を行うためには、最初の組織の採取法も計画的に行う必要があるので、局所の病気の広がりを観察するためMRIを撮影します。

病気が見つかった時点で胸部、所属リンパ節のCT、骨シンチグラム、骨髄穿刺(こつずいせんし)あるいは骨髄生検など、全身的な病気の広がりを調べる検査も行います。

そして、治療法としては、手術、抗がん薬と放射線療法を組み合わせるのが標準的な治療法です。

画像で転移がはっきりしていなくても、悪性の細胞が体中に広まっていることが多いので、手術に先立ってまず抗がん薬の治療を行うことが一般的です。

抗がん薬は極めて有効な治療手段で、抗がん薬を治療に使用し始めて、治療成績は著しく改善されました。

この病気の5年累積生存率は、かつて約25%とかなり難治性でしたが、現在では約70%です。

四肢に発生した場合は、腫瘍のまわりの正常な組織を腫瘍につけて大きく切り取る広範切除術という手術法を用いて手足を切断しないで治療することが一般的です。

かつて行われていた切断術は、ほとんどの症例で必要はなくなりました。

放射線療法は、体内に腫瘍が残っていて手術が難しい場合や、リンパ節転移がある場合などで行うことがあります。

と、かなり罹患してしまえば厄介な病気だと分かると思います。

まぁ、ガンですから当然ですが…。

基本は、小児のがんですから、対象となる年齢のお子さんがいらっしゃるご家庭などは注意して下さいね。

いつもと様子が違うなと感じたら、とにかく受診させましょう。

お子さんが、自分から積極的に病院に行くとは言わないでしょうし、周りの大人が気付くしかないですからね。

この横紋筋肉腫の治療は小児科、耳鼻科、泌尿器科、整形外科、腫瘍(化学療法)専門医、放射線治療医、そして病理診断医などがそれぞれ専門的知識を動員して合同で行われます。

そのため、がんセンターや大学病院などの専門的な施設での治療が必要となります。

まずは知識。

って事で今週はこの辺で終わりますが、小児がんを発見するのは大人ですからね。

ちゃんと勉強しましょうね。

では、来週のイルネス辞典をお楽しみに〜



kotu



京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院


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