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2025年06月11日 [動物のこと]

モスラ(「Mosura」)

お疲れ様です。院長です。

6月11日の水曜日でございます。

何でも今日は「国立銀行設立の日」なんだそうですよ。

では元気にネタいきましょう。

カナダ西部、ブリティッシュコロンビア州のロッキー山脈地帯に広がるバージェス頁から、極めて特異な形状をしたカンブリア紀の古代生物の新種が発見されました。

三つの目を持ち、体の両側に広がるヒレなど、まるでSF映画のクリーチャーのような姿をしており、ラディオドンタ類という、アノマロカリスで知られるグループに属しています。

この新種には、その奇抜な姿と泳ぎ方から「海の蛾(シーモス)」の愛称で呼ばれていたが、最終的に歯、日本の怪獣映画に登場する「モスラ」にちなんで「モスラ・フェントニ(Mosura fentoni)」と命名されました。

今回発見されたモスラ・フェントニ(Mosura fentoni)の化石は、ヨーホー国立公園内にあるバージェス頁岩のレイモンド採石場から発掘されたものです。

約5億600万年前のカンブリア紀中期に、現在のカナダ・ブリティッシュコロンビア州にあたる海域で生息していたと考えられています。

全長は約15〜61mmほどで、人差し指ほどの小さなサイズだったようですが、三つの目、トゲのある前脚、歯を持つ円形の口、体の側面に並ぶ泳ぐためのヒレ、最大で26の体節を持ち、体の後方に呼吸器官(エラ)を備えていました。

この生物はラディオドンタ類に分類され、節足動物の進化の初期段階に属するグループです。

ラディオドンタ類の中では、特にアノマロカリスが日本でもよく知られており、モスラ・フェントニはその仲間にあたります。

この研究は、マニトバ博物館とロイヤル・オンタリオ博物館の共同研究チームによって行われました。

チームを率いたマニトバ博物館のジョー・モイシュク氏によると、モスラ・フェントニには、他のラディオドンタ類には見られない特徴があるといいます。

体の後部には、最大で26の体節が連なっており、そのうち少なくとも16の体節にはエラのような呼吸器官が備わっています。

この構造は、現生のカブトガニ、ワラジムシ、昆虫などの腹部と似たものであり、収斂進化の一例とされています。

このような構造が進化した背景には、当時の生息環境における呼吸効率の向上といった適応の必要性があったのではないかと、研究チームは推測しています。

レイモンド採石場では、1975年から2022年の間に合計61点が収集されていますが、今回注目されるているのは、モスラ・フェントニの化石が神経系・消化器系・循環器系といった軟組織まで保存されていた点にあります。

とくに、眼の内部には視覚情報処理に関わる神経束の痕跡が見られ、現生の節足動物と共通する構造が確認されました。

また、血管系についても注目すべき所見がありました。

本種は動脈や静脈を持たず、代わりにラキュナ(lacunae)と呼ばれる体内の空洞を介して血液を循環させる開放循環系を備えていました。

この循環器官の痕跡は、化石の中で光沢のある模様として確認されており、体内からヒレの先端にまで広がっていたそうです。

これは節足動物の循環器系の起源を考える上で重要な発見です。

研究チームは、この生物の姿が蛾のように見えたことから、「シーモス(海の蛾)」の愛称で呼んでいました。

そして正式に名前を付ける段階となり、その姿が、日本の怪獣映画ゴジラシリーズに登場する「モスラ」を連想させたため、学名に日本語発音をそのまま用いた「Mosura」が採用されたそうです。

モスラはご存じの通り、東宝の特撮映画に登場する架空の怪獣です。

巨大な蛾の姿をしており、ゴジラとはしばしば敵対関係にありましたが、時に共闘する場面もあったりします。

海外でも高い人気を誇る、日本独自の怪獣キャラクターでです。

学名の後半「fentoni」は、カナダの古生物学者マーク・フェントン(Mark Fenton)氏への献名です。

研究の共著者でロイヤル・オンタリオ博物館の古生物学キュレーターであるジャン=ベルナール・カロン氏はこう述べています。

ラディオドンタ類は、節足動物の中で最初に進化系統樹の枝として分かれたグループです。

そのため、節足動物全体の祖先的な特徴を知るための重要な手がかりになります。

今回の新種は、これら初期の節足動物がすでに驚くほど多様で、現生の遠い親戚たちと似たような進化的適応をしていたことを示しています。

まぁ、日本のモスラの名前が使われたのは気分がいいですな。

ではまた〜。





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