弘泉堂鍼灸接骨院
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フリーズドライ精子
2021年09月14日 [色々なこと]
お疲れ様です。院長です。

9月14日の火曜日でございます。

9月も半ばまできましたねぇ…。

気付けば、今年も残すところ3ヶ月半とかですから、なんか慌ただしい気分になりますな。

てか、今年はコロナ一色でしたねぇ。

去年もでしたけど、今年の方が色濃い気がします。

長引くコロナ禍で、もうかなり切羽詰まってる業種の方も多いでしょうけど、逆に伸びてる産業もたくさんあるでしょう。

その一つが輸送業と言われています。

いわゆる宅配業ですな。

これは当然、人が外に出にくい状況ですし、ネットショッピングで事足りるならそうした方が無難ですからね。

今日は、そんな輸送に絡む、科学なお話しでもしてみたいと思います。

山梨大学の研究で、マウスの精子をフリーズドライしてハガキや封筒で郵送することに成功したんだそうです。

これは、精子輸送に革命を起こすことになるでしょう。

山梨大学の科学者によってポストに投函された封筒の中には、フリーズドライされたマウスの精子が入っていました。

その精子からは健康な赤ちゃんが無事誕生したそうなんです。

彼らが考案した薄いプラスチックシートに挟んで精子を保管する方法なら、ハガキに張り付けたり封筒に入れて送ることができるそうなんです。

ガラス瓶が壊れて貴重な遺伝子が台無しなんてこともなくなりますし、大量の精子をたった1冊のアルバムに収めて保管するなんてこともできるわけです。

簡単かつ低コストで、しかも大量に精子を保存できる方法として、『iScience』(8月5日付)に掲載された研究で紹介されています。

精子の保存は、さまざまな分野で求められている技術でした。

たとえば家畜の人工授精、絶滅危惧種の保全、あるいは宇宙での実験などを行うには、遺伝子を長期間しかも再び利用できるような形で保存しておく必要があります。

従来のやり方は、低温で精子を凍らせるというものでした。

しかし、そのためには液体窒素や大量の電力が必要で、維持費が馬鹿になりません。

また万が一、停電が起きてしまえば、精子はすべて台無しになります。

そこで山梨大学の研究グループが考案したのが、精子をフリーズドライ(凍結乾燥)する方法です。

フリーズドライされたマウスの精子は、常温の引き出しの中でも1年もつし、国際宇宙ステーションでも長期間保存することに成功しています。

しかしフリーズドライにも欠点はありました。

それは保存に小さなガラスびん(アンプルびん)が必要だったことです。

ですが、アンプルびんはちょっとしたことで破損してしまいます。

またほんの少ししか精子が入らない割にはかさ張るという欠点もありました。

国際宇宙ステーションに送ろうと思えば、たっぷりと緩衝材を詰めなければならないわけで、大きな荷物にちょっぴりの精子といったことになるわけです。

これは、宅配あるあるやな(笑)

例えば、精密機器扱いのSDカードなんかをネットで買ったりしたら、やたら緩衝材が入り、大きな段ボールで届くってヤツですな。

まぁ、受け取る方からすると、安全な輸送でいいんですが、かさばる上にゴミが大量に出ますから、なんともいえないトコですよね。

そこで若山照彦教授や大学院生の伊藤大裕氏らのグループは、アンプルびんではなく薄いプラスチックシートでフリーズドライ精子を保管する方法を考案しました。

ですが、プラスチックシート自体は精子に有害なんです。

そこで、まず精子を薬包紙(実験の結果、これが一番使いやすく、受精能力が高かったとのこと)の上でフリーズドライします。

それからそれを2枚のプラスチックシートで挟んで圧着するわけです。

たったこれだけで、常温なら3日間、マイナス30度の冷凍庫であれば3か月間保存した後でも、しっかりメスを妊娠させることができるんだそうです。

薄いプラスチックシートで保存するので、大量の精子を写真のアルバムのようなものに収めて保管することもできますし、封筒に入れたり、ハガキに貼り付けて手軽に郵送することもできるわけです。

実際に研究グループは、封筒に精子入りのシートを入れて山梨から千葉まで郵送。

こうして届けられた精子からは元気なマウスの子供が産まれているそうです。

ただし現時点では、常温だと数日しか保存することができません。

今後の目標は、常温で1か月以上保存できるようにすることなんだそうです。

まぁ、なんでもコンパクトにまとめるのは良いことですよね。

ではまた〜。





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