2018年01月14日 [からだのこと]
(46)サンデーイルネス(仮)川崎病について
お疲れ様です。院長です。
1月14日のサンデーイルネスでございます。
1月は、まだイルネス2回目なんですが、もう14日やん…。
早いもんだわ。
そろそろ寒さもピークに突入ですねぇ…。
これから1ヶ月位は、本当の底冷えを味わうがよい(笑)
朝の寒さがだんだん堪える院長ですが、今日も元気にイルネス辞典いってみましょう。
今日は、去年の話で申し訳ないんですが、年末にちょっとした記事を見つけてましたので、その疾患について解説していきたいと思います。
その疾患名は「川崎病」
聞いたことあります?
無い人もいるかもしれません。
この「川崎」は水俣病とかによくある地名ではなく、小児科医の川崎富作さんが1960年代に世界で初めて発表しこの名がつきました。
1960年代ですから、いまから50〜60年前に発見された疾患ですが、なにやらこの病気が、近年急増してるというニュースを発見したんです。
で、急遽、イルネス辞典にのっけとこうと思ったわけなんです。
では、この川崎病ですが、どんな病気かといいますと、簡単に言うと全身の血管に炎症が起こります。
そして発症後、心臓の冠動脈に瘤(こぶ)ができやすいのが特徴で、患者の約2%に後遺症が出るといわれています。
この瘤により将来的に血管が狭まったり、血栓が詰まったりして、心筋梗塞や狭心症になる危険があるため、なかなか一筋縄ではいかない疾患なんです。
血管に炎症が起こるということ以外にも症状がいくつかあります。
〈1〉発熱
〈2〉両目の充血
〈3〉唇が赤くなり舌がイチゴ状にぶつぶつになる
〈4〉発疹
〈5〉手足が赤く腫れ熱が下がると指先の皮がむける
〈6〉首のリンパ節が腫れる
この6項目が、川崎病の代表的な症状で、この症状のうち5項目以上の症状があれば、川崎病と診断されます。
ですが、今のところ発症の原因はわかっておらず、また増加している理由も分からないんだそうです。
それはこわいね…。
原因不明なわけですから、防ぎようがありません。
ですが、傾向的に冬に患者が増加し季節ごとの変動が大きいと言われています。
そして、親子、兄弟等で川崎病を経験するケースも多い事から、何らかの感染が引き金となり、遺伝的に感受性の高い人が発症する可能性があると考えられています。
つい最近、発症した小学生の男の子の例では、当初、ロタウイルスに感染し、下痢などとともに川崎病の症状も出現し、最終的に40度を超える発熱が出ました。
病院で、炎症を抑える免疫グロブリン製剤の点滴を行いましたが、症状は治まらず、発症から10日目にステロイド薬を使うと熱は下がりましたが、その後冠動脈に瘤ができ、10ミリまで大きくなったそうです。
今は、血栓ができないように血を固まりにくくする薬を飲み、大きなけがをしないよう気をつけているということですから、小学生には酷な状態と言えるかもしれません。。
この事例からも分かるように、瘤は発症から10日以降も熱が下がらないと、できやすくなるそうなので、早く炎症を止め、10日目までに熱を下げるのが、まず最初の目標と言えるでしょう。
ただ、いくつかある熱を下げる手段も、一長一短あり、最善の方法ではないという事です。
最初に紹介した炎症を抑えるための免疫グロブリン製剤は、安全ではありますが、解熱効果がステロイドほどありません。
そのステロイドは、熱は下がりますが、瘤が出来てからだと悪化させてしまう可能性があるため、症状と状態をかなり慎重に見極めたうえで投薬しなければいけません。
しかも、10日以内に解熱させないと、かなり瘤が出来てしまうと、これは予後にもかなり悪い影響が出てしまいます。
瘤が冠動脈に出来る感動脈瘤になると、心臓に十分な血液がいかなくなり、心筋梗塞を引き起こしてしまいます。
こうなると、予後は最悪です。
ですから、早めの受診が一番肝心となるわけですね。
それでも発症してしまえば、原因が不明のため根本的な治療法はありませんが、症状を軽くしたり、冠動脈瘤ができないようにするために、いくつかの治療が行われています。
まず、急性期には、とにかく解熱と炎症を抑え、血液が血管内で固まらないようにします。
その後は、冠動脈に障害を残さなかった場合は、治療は不要となります。ですが、心臓の検査は定期的に受けなくてはなりません。
そして、冠動脈瘤ができてしまった場合は、瘤の程度に合わせてアスピリンの内服や、抗凝固薬の内服で対応します。瘤の程度によっては、運動制限もあります。
さらに、瘤が大きく、血管が詰まってしまう可能性が高い人では、血管バイパス手術や、カテーテルという管を血管に入れ、風船をふくらませて押し広げたり、血管の壁が厚くなって内腔が狭くなっているところを削る治療も行われます。
ですから、予後は冠動脈瘤ができなければ比較的良好といえるでしょう。
そしてその瘤は、10日以内に解熱できなければ出現する確率が飛躍的に上がります。
つまり、もし運悪く、この川崎病に罹ってしまったとしても、10日以内に解熱さえすれば、問題なく終わらせられる可能性もあるわけです。
10日以内の解熱…。
それを実現させるには、まず何が必要か?
そう、早めの受診、これが一番です。
ですから、知識を持つ。
とても大事な事ですよね。
今日は、とりあえず「川崎病」という疾患について知ることは出来たと思います。
それだけでも、もし?
と思えるだけでも、いざという時の対応は、早くできると思います。
いかがでしたか?
知識がない事によって、症状を悪化させてしまうなんてもったいない話です。
ぜひ、キチンと読んで知識を持っておいて下さいね。
では、来週のイルネス辞典をお楽しみに〜
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院
1月14日のサンデーイルネスでございます。
1月は、まだイルネス2回目なんですが、もう14日やん…。
早いもんだわ。
そろそろ寒さもピークに突入ですねぇ…。
これから1ヶ月位は、本当の底冷えを味わうがよい(笑)
朝の寒さがだんだん堪える院長ですが、今日も元気にイルネス辞典いってみましょう。
今日は、去年の話で申し訳ないんですが、年末にちょっとした記事を見つけてましたので、その疾患について解説していきたいと思います。
その疾患名は「川崎病」
聞いたことあります?
無い人もいるかもしれません。
この「川崎」は水俣病とかによくある地名ではなく、小児科医の川崎富作さんが1960年代に世界で初めて発表しこの名がつきました。
1960年代ですから、いまから50〜60年前に発見された疾患ですが、なにやらこの病気が、近年急増してるというニュースを発見したんです。
で、急遽、イルネス辞典にのっけとこうと思ったわけなんです。
では、この川崎病ですが、どんな病気かといいますと、簡単に言うと全身の血管に炎症が起こります。
そして発症後、心臓の冠動脈に瘤(こぶ)ができやすいのが特徴で、患者の約2%に後遺症が出るといわれています。
この瘤により将来的に血管が狭まったり、血栓が詰まったりして、心筋梗塞や狭心症になる危険があるため、なかなか一筋縄ではいかない疾患なんです。
血管に炎症が起こるということ以外にも症状がいくつかあります。
〈1〉発熱
〈2〉両目の充血
〈3〉唇が赤くなり舌がイチゴ状にぶつぶつになる
〈4〉発疹
〈5〉手足が赤く腫れ熱が下がると指先の皮がむける
〈6〉首のリンパ節が腫れる
この6項目が、川崎病の代表的な症状で、この症状のうち5項目以上の症状があれば、川崎病と診断されます。
ですが、今のところ発症の原因はわかっておらず、また増加している理由も分からないんだそうです。
それはこわいね…。
原因不明なわけですから、防ぎようがありません。
ですが、傾向的に冬に患者が増加し季節ごとの変動が大きいと言われています。
そして、親子、兄弟等で川崎病を経験するケースも多い事から、何らかの感染が引き金となり、遺伝的に感受性の高い人が発症する可能性があると考えられています。
つい最近、発症した小学生の男の子の例では、当初、ロタウイルスに感染し、下痢などとともに川崎病の症状も出現し、最終的に40度を超える発熱が出ました。
病院で、炎症を抑える免疫グロブリン製剤の点滴を行いましたが、症状は治まらず、発症から10日目にステロイド薬を使うと熱は下がりましたが、その後冠動脈に瘤ができ、10ミリまで大きくなったそうです。
今は、血栓ができないように血を固まりにくくする薬を飲み、大きなけがをしないよう気をつけているということですから、小学生には酷な状態と言えるかもしれません。。
この事例からも分かるように、瘤は発症から10日以降も熱が下がらないと、できやすくなるそうなので、早く炎症を止め、10日目までに熱を下げるのが、まず最初の目標と言えるでしょう。
ただ、いくつかある熱を下げる手段も、一長一短あり、最善の方法ではないという事です。
最初に紹介した炎症を抑えるための免疫グロブリン製剤は、安全ではありますが、解熱効果がステロイドほどありません。
そのステロイドは、熱は下がりますが、瘤が出来てからだと悪化させてしまう可能性があるため、症状と状態をかなり慎重に見極めたうえで投薬しなければいけません。
しかも、10日以内に解熱させないと、かなり瘤が出来てしまうと、これは予後にもかなり悪い影響が出てしまいます。
瘤が冠動脈に出来る感動脈瘤になると、心臓に十分な血液がいかなくなり、心筋梗塞を引き起こしてしまいます。
こうなると、予後は最悪です。
ですから、早めの受診が一番肝心となるわけですね。
それでも発症してしまえば、原因が不明のため根本的な治療法はありませんが、症状を軽くしたり、冠動脈瘤ができないようにするために、いくつかの治療が行われています。
まず、急性期には、とにかく解熱と炎症を抑え、血液が血管内で固まらないようにします。
その後は、冠動脈に障害を残さなかった場合は、治療は不要となります。ですが、心臓の検査は定期的に受けなくてはなりません。
そして、冠動脈瘤ができてしまった場合は、瘤の程度に合わせてアスピリンの内服や、抗凝固薬の内服で対応します。瘤の程度によっては、運動制限もあります。
さらに、瘤が大きく、血管が詰まってしまう可能性が高い人では、血管バイパス手術や、カテーテルという管を血管に入れ、風船をふくらませて押し広げたり、血管の壁が厚くなって内腔が狭くなっているところを削る治療も行われます。
ですから、予後は冠動脈瘤ができなければ比較的良好といえるでしょう。
そしてその瘤は、10日以内に解熱できなければ出現する確率が飛躍的に上がります。
つまり、もし運悪く、この川崎病に罹ってしまったとしても、10日以内に解熱さえすれば、問題なく終わらせられる可能性もあるわけです。
10日以内の解熱…。
それを実現させるには、まず何が必要か?
そう、早めの受診、これが一番です。
ですから、知識を持つ。
とても大事な事ですよね。
今日は、とりあえず「川崎病」という疾患について知ることは出来たと思います。
それだけでも、もし?
と思えるだけでも、いざという時の対応は、早くできると思います。
いかがでしたか?
知識がない事によって、症状を悪化させてしまうなんてもったいない話です。
ぜひ、キチンと読んで知識を持っておいて下さいね。
では、来週のイルネス辞典をお楽しみに〜
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院