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2017年10月29日 [からだのこと]

(35)サンデーイルネス(仮)劇症肝炎について

お疲れ様です。院長です。

10月29日のサンデーイルネス、今回は「肝炎」シリーズのラスボス、「劇症肝炎」を解説していきます。

アッと言う間に10月も終りですねぇ…。

寒さも増してきましたし、いよいよ冬がやってきます。

寒さに強い方も弱い方も、嫌でもこれから約半年ほどは、寒さと戦わなければいけません。

寒さに対抗する手段は、人それぞれ感じ方も違いますしマチマチでしょうけど、まず「寒さ」を理解してないと対抗のしようもありませんよね。

病気も全く同じ事で、その病気の事を詳しく知れば知るほど、対抗策は広がるわけですし、まずは知識をもちましょう。

ってことで、今週のイルネス辞典「劇症肝炎」なんですが、まず劇症肝炎とは、急性肝炎のなかでもとくに重症のもので、高度の肝機能不全と意識障害(肝性脳症または肝性昏睡)を特徴とします。

診断するうえでの重要なポイントは、肝炎様の症状(発熱、かぜ様症状、倦怠感、食欲不振など)が現れてから8週(56日)以内に肝性脳症が現れること、高度の肝機能不全を表す血液生化学検査であるプロトロンビン時間が40%以下を示すこととなってます。

さらに、肝性脳症の出現までの日数により、2つの臨床病型に分けています。

すなわち、10日以内に肝性脳症が現れる急性型、11〜56日以内に肝性脳症が現れる亜急性型です。

このように2つの臨床病型に分けるのは、両者の最終的な予後(生存するか、死亡するか)が異なることが最大の理由です。

実際に、内科的な救命率は急性型50%、亜急性型20%です。また、原因により救命率は異なりますが、急性型は非常に致死率の高い疾患と言えるでしょう。

では、原因ですが、ウイルスと薬物(アレルギー)が主な原因です。自己免疫性によるものも、まれにみられます。

ウイルスには、肝炎ウイルスと肝炎ウイルス以外のウイルスがありますが、劇症肝炎の原因としては肝炎ウイルス(A型、B型、C型、D型、E型)がほとんどです。

日本ではB型肝炎ウイルスによるものが多い状況にありますが、今なお原因不明な例も多く認められます。

なお、既知のウイルスが陰性で薬物なども否定された場合を、非A非B非C型と呼んでいます。

最近、E型肝炎ウイルスによる劇症肝炎例も報告され、いずれも海外渡航歴のない国内に在住する人からの発病として話題になっています。

まぁ、原因不明なものはどうしようもないにしても、日本では多くの場合、B型肝炎からの劇症化ですから、その時点での治療には最善の注意が必要と言えるでしょう。

各肝炎の解説でも書いていますが、肝炎自体は劇症化しなければ、治癒することがほとんどですので、まずは見つけることが一番大事です。

では、症状の現れ方ですが、劇症肝炎に特徴的な症状は肝性脳症(意識障害)ですが、初期症状は通常の経過をたどる急性肝炎と何ら変わりはありません。

前述したように発熱、かぜ様症状、倦怠感、食欲不振、吐き気、嘔吐などが最初に現れ、尿の色が濃くなって黄疸に気づくようになります。

黄疸が出ればさすがに誰でも気付くと思いますが、それ以外の症状なんて、誰でも体験してますよね?

つまり、何となく熱っぽい、風邪かなぁ…。身体ダリィわぁ…。何か食欲ないわぁ…。そして、二日酔いかなぁ…。なんかムカムカするわぁ…などなど。

これだけで肝炎!って思えるかと言われれば、それは正直、無理でしょう。

黄疸以外のこれらの症状がある日襲って来たら、わたしなら「消化器系の風邪」かなと思いますもんね。

で、ここから、意識障害が出現までの日数はさまざまで、急性型と亜急性型がありますが、急性型のうち、肝炎様症状に続いて2〜3日で出現する場合を超急性型と呼んでいます。

亜急性型ではあまり症状がなく、徐々に黄疸や腹水が増加したあとに、急に意識障害が現れることもしばしばみられます。

つまり、風邪かなぁ〜が少々長引き、そこから突然、意識障害が出るわけですよ。

定義的なは8週間てことですから、2ヶ月以内に意識障害が出るわけですから、もう風邪かなぁ〜の時点でどれだけ早く対処できるかですべてが変わってくるわけです。

ですが、さすがに風邪かなぁ〜から2、3日で意識障害がでる超急性だと、もう運が悪かったと思うしかないのかもしれません。

ですが、この超急性もまたまれで、急性と亜急性の狭間である10日前後に意識障害が現れることが多いようです。

それでも10日ですから、今まさに風邪かなぁ〜的な感覚がある人は、ちょっと疑ってみるのもいいかもしれません。

少なくとも、これを読んでくれた方、頭の片隅に置いておいて下されば、もしもの時にきっと役に立つけんね。

ってことでその肝性脳症の程度は、昏睡度によって判定します。

昏睡U度になると誰が見てもわかるようになり、興奮状態やせん妄状態となり、体動が激しくなりますが、昏睡I度の判定は専門家でも難しい場合があるくらい分かりにくいのも特徴です。

では、そんな劇症肝炎の内科的治療法ですが、基本的には、肝性脳症の改善を図り、破壊された肝細胞が再生されるまで人工肝補助(血漿交換など)を行い、合併症(腎不全、播種性血管内凝固症候群、感染症、脳浮腫)の発生を防ぐことが重要です。

人工肝補助は、肝細胞の広汎な壊死および肝機能の低下によって体内にたまった中毒性物質の除去と、不足した必須物質(凝固因子など)を補充することを目的としています。

原因ウイルスが明らかな例では、抗ウイルス療法も行われますが、原因不明の場合その手は使えません。

肝性脳症が出現したら、ただちに血漿交換などの人工肝補助療法を開始しなければなりません。

また、明らかな意識障害がなくても、肝機能検査で著しい異常を認めた場合には、劇症肝炎へ移行する危険性があることを考え、肝臓専門医と相談しながら治療を行い、できるだけ早期に総合的な治療が可能な医療機関へ移送することが大切です。

とにかく早めの対応こそが、症状を軽くする一番の方法です。

いかがでしたか?

まぁ、身近に遭遇することが比較的少ない病気ではありますが、誰しもに感染の危険がある肝炎です。

とにかく、「知る」ことが一番大事なんで、しっかり頭に置いておいて下さいね。

では、来週のイルネス辞典をお楽しみに〜



geki



京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院


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