2017年07月16日 [からだのこと]
(20)サンデーイルネス(仮)パニック障害について
お疲れ様です。院長です。
7月16日のサンデーイルネス(仮)でございます。
なんと今日は祇園祭宵山となってます。
今日だけでも、京都の街に数十万人規模の人が押し寄せてきます。
昨日の宵々山、宵山、そして明日の山鉾巡行と合わせて延べ100万人クラスの来場者数を毎年誇る、日本の三大祭りの一つ、京都の夏の始まりです。
ちなみに京都市の人口が約150万人ですから、ざっとこの3日で倍になる計算ですな(笑)
てな日曜日ですが、今日のイルネス辞典(仮)いってみましょうか。
今日は精神疾患の流れをくんだ比較的新しい疾病である「パニック障害」を解説していきましょう。
まず、パニック障害とは、パニック発作といわれる、急性の強い不安の発作を繰り返す症状を特徴とする病気です。
従来は不安神経症の一部に含めて扱われてきましたが、そのまとまった病像の特徴から、独立した病気として扱われるようになり、パニック障害と命名されました(1980年)
従来の不安神経症は、このパニック障害と慢性の不安状態が続く全般性不安障害とに二分されたことになるわけです。
パニック障害は、急性に発症しパニック発作を繰り返すことや、不安のため一人で外出したり乗り物に乗ることが困難になること(広場恐怖)、薬がよく効くことなどが特徴です。
では、パニック障害の原因なんですが、これがまだよくわかっていません。
心理的要因も考えられなくはないですが、脳内ノルアドレナリン系の過敏・過活動、あるいはセロトニン系の機能不全など、脳機能異常説が有力とされています。
これらは薬の有効性の説明にもあてはまります。
また実験的な研究から、パニック障害の患者さんは、乳酸、炭酸ガス、カフェインなどに過敏で、発作が誘発されやすいことがわかっています。
過労、睡眠不足、かぜなどの身体的な悪条件や、日常生活上のストレスなど、非特異的な要因も、発症や発作の誘因(引き金、きっかけ)になることが知られています。
パニック発作では、突然の激しい動悸、胸苦しさ、息苦しさ、めまいなどを伴う強い不安と、死ぬかと思うほどの恐怖に襲われ、多くの患者さんは心臓発作などを疑って救急車で病院へかけつけます。
しかし、病院に着いたころには症状はほとんどおさまってしまっていて、検査などでも特別な異常はみられず、多くの場合そのまま帰されます。
しかし数日を置かず、また発作を繰り返し、次第に予期不安(パニックが出たらどうしようと不安になる)や広場恐怖が発展してきます。
発作を恐れて一人で外出できなくなったり、医師から何ともないといわれていても心臓を心配して運動をひかえたり、病院を転々として検査を繰り返したりするようになります。
症状が軽く、一過性でおさまってしまう場合もありますが、よくなったり悪くなったりしながら慢性に経過する場合が多くみられます。
また、半数以上に鬱病を伴うという研究報告もありますから、そちらにも注意が必要となります。
突発性のパニック発作の繰り返しと予期不安があり、原因になるような身体疾患がないのが診断の主な条件です。
この身体疾患を除外するために、内科的なさまざまな検査が行われます。
尿、血液、心電図、場合によっては脳波検査などが行われ、心血管系疾患、呼吸器疾患、甲状腺機能亢進症、低血糖、薬物中毒、てんかんなどが除外されるわけです。
つまり、消去法にて他のどんな疾患でもないってことでパニック障害と診断されますから、なかなか大変と言えば大変です。
では、治療法ですが、薬物療法と認知行動療法が現在では主流で行われています。
通常は、まず抗不安薬や抗鬱薬、その他を使ってパニック発作が起こらないようにする治療を行います。
副作用のことも考慮に入れたうえで、発作が起こらなくなるまで十分な量を十分な期間服用し、発作がなくなっても6カ月〜1年は薬を続ける必要があります
次に、不安が軽くなってきたら、今まで避けていた外出や乗り物に少しずつ挑戦し、慣らしていく訓練(曝露療法(ばくろりょうほう):行動療法の一種)を行います。
また、ちょっとした動悸を心臓発作の前触れではないかなどと破局的に解釈する考え方の癖を直していきます(認知療法)
パニック発作は薬物でほとんど治りますが、予期不安や広場恐怖はその後も長く続くことが多く、これには認知行動療法を併用する必要があると言われています。
鬱病が合併した場合は、休養と抗鬱薬療法が必要で、鬱病の治療に準じます。
では、パニック発作を経験してしまったら、まず内科などで体に異常がないかどうかを検査してもらいましょう。
異常がないのに何度も発作を繰り返すようなら、パニック障害の疑いがあるというわけです。
正しい診断がなされず、過換気症候群、心臓神経症、自律神経失調症などの病名で、パニック障害が見過ごされている場合も少なくありません。
これはと思ったら、精神科か心療内科の専門医の診察を受けてください。
診断が確定したら、指示どおり薬を飲むことがまず大切です。薬が十分効いて不安が軽快してきたら、今まで避けていた状況へ少しずつ入っていく訓練をします。
外見ではわかりにくい患者さんのつらさを家族や周囲の方が理解し、外出訓練に同伴するなどの協力も必要です。
パニック障害の不安は気の持ちようなどではなく、病気であり治療の対象であることを、本人も家族も知る必要があるわけです。
このように、この疾病に関しても、やはり周りの協力が不可欠となります。
まず、正しい知識を持ち、それを家族やサポートする人たちが間違いなく共有することで患者は不安と立ち向かうことが出来ます。
まずは正しい知識から…。
いかがでしたか?
みなさんの周りにも、このような症状をお持ちの方がいらつしゃるかもしれません。
まずは、適正な医療機関で受診し、そこから計画をたて改善していく…
決して焦らず病気と向き合う事が、治療への近道と言えるでしょう。
では、今週のイルネス辞典(仮)はこのへんで…
来週のサンデーイルネス(仮)をお楽しみに〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院
7月16日のサンデーイルネス(仮)でございます。
なんと今日は祇園祭宵山となってます。
今日だけでも、京都の街に数十万人規模の人が押し寄せてきます。
昨日の宵々山、宵山、そして明日の山鉾巡行と合わせて延べ100万人クラスの来場者数を毎年誇る、日本の三大祭りの一つ、京都の夏の始まりです。
ちなみに京都市の人口が約150万人ですから、ざっとこの3日で倍になる計算ですな(笑)
てな日曜日ですが、今日のイルネス辞典(仮)いってみましょうか。
今日は精神疾患の流れをくんだ比較的新しい疾病である「パニック障害」を解説していきましょう。
まず、パニック障害とは、パニック発作といわれる、急性の強い不安の発作を繰り返す症状を特徴とする病気です。
従来は不安神経症の一部に含めて扱われてきましたが、そのまとまった病像の特徴から、独立した病気として扱われるようになり、パニック障害と命名されました(1980年)
従来の不安神経症は、このパニック障害と慢性の不安状態が続く全般性不安障害とに二分されたことになるわけです。
パニック障害は、急性に発症しパニック発作を繰り返すことや、不安のため一人で外出したり乗り物に乗ることが困難になること(広場恐怖)、薬がよく効くことなどが特徴です。
では、パニック障害の原因なんですが、これがまだよくわかっていません。
心理的要因も考えられなくはないですが、脳内ノルアドレナリン系の過敏・過活動、あるいはセロトニン系の機能不全など、脳機能異常説が有力とされています。
これらは薬の有効性の説明にもあてはまります。
また実験的な研究から、パニック障害の患者さんは、乳酸、炭酸ガス、カフェインなどに過敏で、発作が誘発されやすいことがわかっています。
過労、睡眠不足、かぜなどの身体的な悪条件や、日常生活上のストレスなど、非特異的な要因も、発症や発作の誘因(引き金、きっかけ)になることが知られています。
パニック発作では、突然の激しい動悸、胸苦しさ、息苦しさ、めまいなどを伴う強い不安と、死ぬかと思うほどの恐怖に襲われ、多くの患者さんは心臓発作などを疑って救急車で病院へかけつけます。
しかし、病院に着いたころには症状はほとんどおさまってしまっていて、検査などでも特別な異常はみられず、多くの場合そのまま帰されます。
しかし数日を置かず、また発作を繰り返し、次第に予期不安(パニックが出たらどうしようと不安になる)や広場恐怖が発展してきます。
発作を恐れて一人で外出できなくなったり、医師から何ともないといわれていても心臓を心配して運動をひかえたり、病院を転々として検査を繰り返したりするようになります。
症状が軽く、一過性でおさまってしまう場合もありますが、よくなったり悪くなったりしながら慢性に経過する場合が多くみられます。
また、半数以上に鬱病を伴うという研究報告もありますから、そちらにも注意が必要となります。
突発性のパニック発作の繰り返しと予期不安があり、原因になるような身体疾患がないのが診断の主な条件です。
この身体疾患を除外するために、内科的なさまざまな検査が行われます。
尿、血液、心電図、場合によっては脳波検査などが行われ、心血管系疾患、呼吸器疾患、甲状腺機能亢進症、低血糖、薬物中毒、てんかんなどが除外されるわけです。
つまり、消去法にて他のどんな疾患でもないってことでパニック障害と診断されますから、なかなか大変と言えば大変です。
では、治療法ですが、薬物療法と認知行動療法が現在では主流で行われています。
通常は、まず抗不安薬や抗鬱薬、その他を使ってパニック発作が起こらないようにする治療を行います。
副作用のことも考慮に入れたうえで、発作が起こらなくなるまで十分な量を十分な期間服用し、発作がなくなっても6カ月〜1年は薬を続ける必要があります
次に、不安が軽くなってきたら、今まで避けていた外出や乗り物に少しずつ挑戦し、慣らしていく訓練(曝露療法(ばくろりょうほう):行動療法の一種)を行います。
また、ちょっとした動悸を心臓発作の前触れではないかなどと破局的に解釈する考え方の癖を直していきます(認知療法)
パニック発作は薬物でほとんど治りますが、予期不安や広場恐怖はその後も長く続くことが多く、これには認知行動療法を併用する必要があると言われています。
鬱病が合併した場合は、休養と抗鬱薬療法が必要で、鬱病の治療に準じます。
では、パニック発作を経験してしまったら、まず内科などで体に異常がないかどうかを検査してもらいましょう。
異常がないのに何度も発作を繰り返すようなら、パニック障害の疑いがあるというわけです。
正しい診断がなされず、過換気症候群、心臓神経症、自律神経失調症などの病名で、パニック障害が見過ごされている場合も少なくありません。
これはと思ったら、精神科か心療内科の専門医の診察を受けてください。
診断が確定したら、指示どおり薬を飲むことがまず大切です。薬が十分効いて不安が軽快してきたら、今まで避けていた状況へ少しずつ入っていく訓練をします。
外見ではわかりにくい患者さんのつらさを家族や周囲の方が理解し、外出訓練に同伴するなどの協力も必要です。
パニック障害の不安は気の持ちようなどではなく、病気であり治療の対象であることを、本人も家族も知る必要があるわけです。
このように、この疾病に関しても、やはり周りの協力が不可欠となります。
まず、正しい知識を持ち、それを家族やサポートする人たちが間違いなく共有することで患者は不安と立ち向かうことが出来ます。
まずは正しい知識から…。
いかがでしたか?
みなさんの周りにも、このような症状をお持ちの方がいらつしゃるかもしれません。
まずは、適正な医療機関で受診し、そこから計画をたて改善していく…
決して焦らず病気と向き合う事が、治療への近道と言えるでしょう。
では、今週のイルネス辞典(仮)はこのへんで…
来週のサンデーイルネス(仮)をお楽しみに〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院