2016年06月28日 [色々なこと]
Super bug(スーパー耐性菌)
お疲れ様です。院長です。
6月28日火曜日。
何だかんだ元気な火曜日。
きっと週で一番元気なんですが…
今日は、そんな「元気」を根底からひっくり返すようなお話。
このほど、既存の全ての抗生物質に耐性をもつ細菌感染が、米国内で初めて確認されました。
この数年、どの抗生物質も効かない「スーパー耐性菌(superbug)」がいずれ出現すると警告されてきましたが、今回のペンシルベニア州の49歳女性の例は、その日が近いことを示唆するものでした。
「緊急に対処しなければ、抗生物質の限界が来る」と、米国疾病管理予防センターは、米ワシントンD.C.で開催されたナショナルプレスクラブのイベントで述べています。
今回の患者は命を取りとめたが、耐性が他の細菌にも拡大する恐れがあるということです。
これが恐ろしいところなんですねぇ…
「耐性」ってのは、他へ拡大し、他の菌までもが「耐性」を持ってしまうんですよね。
インフルエンザなんかでもそうですが、毎年新しいのが出てきて、それに対するワクチンを作って、ってイタチごっこですが、抗生物質には、いまのところこれ以上のものはないという「最終兵器」的なヤツがいるんですよね。
で、今回の細菌感染の経緯は、とある女性が、尿路感染症でクリニックを受診しました。
この時の原因は、よくみられる大腸菌への感染だったんですが、検査では第一選択の抗生物質に対する耐性が認められたと。
つまり、普通の大腸菌ではなかったってことなんですね。
で、今回の場合は、他の抗生物質が奏効したものの、その後の検査で、特定の大腸菌がコリスチンという薬剤への耐性遺伝子をもつことが判明したと…
AP通信によると、コリスチンは副作用がひどいために1970年代に人気を失った古い抗生物質なんですが、現在はカルバペネム系抗生物質に耐性をもつ難治性の細菌に対して使用されています。
で、この「カルバペネム」が先ほどお話した「最終兵器」的な薬剤の1つで、カネバペネム耐性菌がコリスチンに対しても耐性を獲得すると、感染症の治療選択肢は、現在の薬学では存在しなくなってしまうんですよ。
ちょっと分かりにくいですかね…
要するに、カルバペネムと言う、「最終兵器」的な抗生物質があるんですが、こいつに耐性をもってる一部の菌には、コルスチンていう抗生物質が効いていたと…
ここまでいいですか?
ですが、今回のお話はこのカネバペネム耐性菌がコリスチンに対しても耐性を獲得する可能性が出てきたってことなんですよ。
CDCの新興感染症プログラムを監督するBeth Bell氏は、「これは忌まわしいパズルの新たな1ピースである」と述べてます。
世界ではスーパー耐性菌の症例が既に認められていますが、米国内で発生したのは今回が初めてだそうです。
この女性は最近米国外に出ておらず、米国疾病管理予防センター、およびペンシルベニア州保健当局はコリスチン耐性大腸菌の感染経路の解明に努めているようです。
コリスチン耐性遺伝子はカナダ、中国、ヨーロッパのヒトや動物に認められていますが、AP通信によれば、米国保健当局は先ごろ米国内のブタでコリスチン耐性大腸菌が見つかったと報告していますが、今回の症例との関連は考えにくいとのことで、今のところ感染経路は分かっていません。
んん〜…
日本では大した記事にはなっていないようですが、この細菌がもしもアメリカで流行でもして、日本に来たら…
完全にパンデミックですよ。
だって効く抗生物質は、現在ないんですから、この大腸菌は治せません。
つまり、感染してしまえばおしまいです。
自分のもってる免疫力で退治するしかないわけですから、こりゃ〜大変ですよ…
ペニシリンが発見されたのが1928年で、製剤がうまれたのがそれから10年後…
このペニシリン発見以前は、そりゃ感染症=死でしたから、平均寿命も50歳以下とかやしね。
もちろん、現在医学、薬学の全てを結集させて新しい耐性を持つ薬剤を開発するんでしょうが、もしそれが遅れるか、この「スーパー耐性菌(superbug)」が流行するのが早かったら…
人類は絶滅の危機に晒されているのかもしれませんよ。
てことで、今日は少し怖い話になりましたが、大丈夫。
人類はこんなピンチを何度も乗り越えてきてますから、今回もきっと乗り越えられるでしょう。
そんな事より、とりあえず今日一日を乗り切らないとね。
ではまた〜
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院
6月28日火曜日。
何だかんだ元気な火曜日。
きっと週で一番元気なんですが…
今日は、そんな「元気」を根底からひっくり返すようなお話。
このほど、既存の全ての抗生物質に耐性をもつ細菌感染が、米国内で初めて確認されました。
この数年、どの抗生物質も効かない「スーパー耐性菌(superbug)」がいずれ出現すると警告されてきましたが、今回のペンシルベニア州の49歳女性の例は、その日が近いことを示唆するものでした。
「緊急に対処しなければ、抗生物質の限界が来る」と、米国疾病管理予防センターは、米ワシントンD.C.で開催されたナショナルプレスクラブのイベントで述べています。
今回の患者は命を取りとめたが、耐性が他の細菌にも拡大する恐れがあるということです。
これが恐ろしいところなんですねぇ…
「耐性」ってのは、他へ拡大し、他の菌までもが「耐性」を持ってしまうんですよね。
インフルエンザなんかでもそうですが、毎年新しいのが出てきて、それに対するワクチンを作って、ってイタチごっこですが、抗生物質には、いまのところこれ以上のものはないという「最終兵器」的なヤツがいるんですよね。
で、今回の細菌感染の経緯は、とある女性が、尿路感染症でクリニックを受診しました。
この時の原因は、よくみられる大腸菌への感染だったんですが、検査では第一選択の抗生物質に対する耐性が認められたと。
つまり、普通の大腸菌ではなかったってことなんですね。
で、今回の場合は、他の抗生物質が奏効したものの、その後の検査で、特定の大腸菌がコリスチンという薬剤への耐性遺伝子をもつことが判明したと…
AP通信によると、コリスチンは副作用がひどいために1970年代に人気を失った古い抗生物質なんですが、現在はカルバペネム系抗生物質に耐性をもつ難治性の細菌に対して使用されています。
で、この「カルバペネム」が先ほどお話した「最終兵器」的な薬剤の1つで、カネバペネム耐性菌がコリスチンに対しても耐性を獲得すると、感染症の治療選択肢は、現在の薬学では存在しなくなってしまうんですよ。
ちょっと分かりにくいですかね…
要するに、カルバペネムと言う、「最終兵器」的な抗生物質があるんですが、こいつに耐性をもってる一部の菌には、コルスチンていう抗生物質が効いていたと…
ここまでいいですか?
ですが、今回のお話はこのカネバペネム耐性菌がコリスチンに対しても耐性を獲得する可能性が出てきたってことなんですよ。
CDCの新興感染症プログラムを監督するBeth Bell氏は、「これは忌まわしいパズルの新たな1ピースである」と述べてます。
世界ではスーパー耐性菌の症例が既に認められていますが、米国内で発生したのは今回が初めてだそうです。
この女性は最近米国外に出ておらず、米国疾病管理予防センター、およびペンシルベニア州保健当局はコリスチン耐性大腸菌の感染経路の解明に努めているようです。
コリスチン耐性遺伝子はカナダ、中国、ヨーロッパのヒトや動物に認められていますが、AP通信によれば、米国保健当局は先ごろ米国内のブタでコリスチン耐性大腸菌が見つかったと報告していますが、今回の症例との関連は考えにくいとのことで、今のところ感染経路は分かっていません。
んん〜…
日本では大した記事にはなっていないようですが、この細菌がもしもアメリカで流行でもして、日本に来たら…
完全にパンデミックですよ。
だって効く抗生物質は、現在ないんですから、この大腸菌は治せません。
つまり、感染してしまえばおしまいです。
自分のもってる免疫力で退治するしかないわけですから、こりゃ〜大変ですよ…
ペニシリンが発見されたのが1928年で、製剤がうまれたのがそれから10年後…
このペニシリン発見以前は、そりゃ感染症=死でしたから、平均寿命も50歳以下とかやしね。
もちろん、現在医学、薬学の全てを結集させて新しい耐性を持つ薬剤を開発するんでしょうが、もしそれが遅れるか、この「スーパー耐性菌(superbug)」が流行するのが早かったら…
人類は絶滅の危機に晒されているのかもしれませんよ。
てことで、今日は少し怖い話になりましたが、大丈夫。
人類はこんなピンチを何度も乗り越えてきてますから、今回もきっと乗り越えられるでしょう。
そんな事より、とりあえず今日一日を乗り切らないとね。
ではまた〜
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院