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2022年12月16日 [動物のこと]

タコの進化について

お疲れ様です。院長です。

12月16日の金曜日でございます。

12月も折り返しを過ぎ、後半戦に突入です。

なんと、日曜日ってくくりで言うと、もうあと2回なんですよね。

完全に年末ですな(笑)

ここまできたら焦らずに頑張りましょう。

では今日のネタですが、このブログの動物ネタの中でも、カラスに次いで登場頻度の高い、タコについてのお話しです。

このブログを読んで下さってる方ですとご存知かと思いますが、タコは無脊椎動物でありながら高い知能を持つ異質な存在とされています。

なぜ無脊椎動物であるにも関わらず、複雑な脳を獲得できたのか…。

そしてそれは、なぜタコやイカなどの頭足類だけだったのか…

これは生物学の長年の謎なんです。

今回、ある国際的研究チームが、その答えを解明する重要な発見をしました。

彼らの研究によると、タコの高い知性は、神経組織の「マイクロRNA」のレパートリーが大幅に増えたことと関係があるようなんです。

こうした進化は、人間などの脊椎動物で起きたものと同じなのだという話しです。

マックス・デルブリュック・センターのニコラウス・ラジェフスキー教授は、この発見について「人間とタコをつなぐもの」とし、複雑な脳の発達には、マイクロRNAが基本的な役割を果たしていると考えられるそうなんです。

人間とタコの進化の歴史を遠くさかのぼると、知性などほとんどない原始的なイモムシのような共通祖先にたどり着きます。

その後、私たちとタコは袂を分かち、片や背骨を持つ生物へ、片や背骨を持たない生物へ、それぞれ別の道を歩み始めます。

そして脊椎動物(とりわけ霊長類をはじめとするほ乳類)は、大きく複雑な脳を発達させ、さまざまな認識力を発揮するようになりました。

一方、無脊椎動物はそうはならず、知能という点では大きく水をあけられました。

しかし例外が存在し、それがタコをはじめとする頭足類なわけです。

これまでのタコの遺伝子の研究から、彼らの体内ではRNA(リボ核酸)編集がよく行われていることが明らかになっています。

これはタコがRNAを再コード化する幅広い酵素を利用できるということです。

これについて詳しく調べるために、ラジェフスキー教授らは、死んだタコの組織サンプルを分析してみることにしました。

そして意外なことが判明します。

RNA編集がたくさん起きていたのは確かでしたが、その場所が予想と違っていたんですね。

ですが何より興味を引いたのは、メッセンジャーRNA(mRNA)と比べてとても小さく、タンパク質を合成する情報を持っていない「マイクロRNA(miRNA)」というRNAの仲間が劇的に増加していたことなんです。

そうした新しいmiRNAのほとんどは脳の神経組織にあります。

それらは進化を通じて、タコの体に保存されてきたようで、ラジェフスキー教授らによれば、それらは頭足類にとって有利なもので、重要な機能を担っているだろうということです。

生産するタンパク質について指示を携えたメッセンジャーRNAと違い、miRNAが携える情報は、RNAの小さな断片のものです。

そうした断片は、メッセンジャーRNAに結合することでタンパク質生産に影響を与えます。

タコの体にはそうした結合部位もまた保存されており、このことからも新たに拡充されたmiRNAの大切さがうかがえるという事のようです。

タコに見られるmiRNAの拡充は、動物では3番目に大規模で、脊椎動物を除けば最大の増加事例であるという事らしいです。

たとえば、同じ軟体動物であるカキは、タコとの共通祖先と別れてから新たに5種類のmiRNAしか獲得していません(そして知能も高くない)。

一方、タコは90種類も獲得しています。

タコは無脊椎動物の中でもとびきりユニークな存在で、中枢神経である脳と独立して機能する末梢神経系があります。

ですから、腕が切り落とされたとしても、その腕には感覚が残っており、動くこともできます。

タコだけが複雑な脳を発達させられたのは、貝殻を開けるなど、そうした腕を意図的に使っているためかもしれません。

好奇心が旺盛で、記憶力も良く、タコの高い知能はそこかしこからうかがえます。

人を見分けることができるようですし、眠っているときに体の色や構造を変化させることから、夢を見るとも考えられるそうなんです。

徐々にタコの知性の謎が明らかになってきているとは言え、まだまだ解明すべき点は多いです。

ま、我々一般人は、タコとの接点は、「食材」としてだけですから、そこまで興味もないですけど(笑)

研究者の方、頑張って下さい。

ではまた〜。









京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院


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