
2025年05月22日 [動物のこと]
奇想天外ウェルウィッチア
お疲れ様です。院長です。
5月22日の木曜日でございます。
何でも今日は「国際生物多様性の日」なんだそうですよ。
では元気にネタいきましょう。
アフリカのナミブ砂漠にはまさに自然の神秘と呼べる植物が生息しているそうなんです。
その和名では、サバクオモト(砂漠万年青)、キソウテンガイ(奇想天外)と呼ばれる裸子植物、「ウェルウィッチア」です。
見た目は枯れかけた草のようだが、数千年生き続けている個体もあるといわれるほど、驚異的な生命力を持つといわれています。
この植物は、極限の乾燥環境に適応し、ほとんど雨が降らない砂漠で生き延びるための独自の生存戦略を持っているんです。
さらに、その遺伝子には長寿の秘密が隠されていました。
ウェルウィッチア(学名:Welwitschia mirabilis」)は、アンゴラとナミビアの間に広がる超乾燥地帯「ナミブ砂漠」に生息する裸子植物です。
裸子植物(らししょくぶつ)」は、種子のもとである胚珠がむき出しになる植物のことで、松や杉などがあげられる。受粉は風まかせで、果実がないのが特徴です。
1859年にオーストリアの植物学者フリードリヒ・ウェルウィッチ氏によってナミビア砂漠で発見され、世界に知れ渡ることとなりました。
この植物を初めて目にしたウェルウィッチ氏は、その奇妙な姿に驚き、思わずひざまずいたという逸話が残っているそうです。
ウェルウィッチアは現地のアフリカーンス語で「Tweeblaarkanniedood(ツヴェーブラールカニードード)」と呼ばれ、「枯れない二枚の葉」という意味を持つそうです。
通常の植物は古い葉を落として新しい葉を生やすが、ウェルウィッチアは長い一生の間にわずか2枚の葉しか持たないそうなんです。
たくさん葉があるように見えるのは、時間が経つにつれて葉の先端が裂けて細長く分かれてゆくためだとか…。
実際には最初に生えた2枚の葉が何百年にもわたって成長し続け、風や砂嵐によって裂けながら広がっているだけで、この独特の成長パターンが、ウェルウィッチアの特徴のひとつです。
一見するとボロボロに見えますが、それでも葉自体は生き続けているんです。
ウェルウィッチアの葉は、一度も落葉せずに成長を続けるため、「最も長く生き続ける葉」としてギネス世界記録を持っています。
平均的な葉の総面積は1uほどですが、古い個体ではさらに大きくなることもあるそうです。
葉先が摩耗しながらも成長し続けるため、まるで終わりのない生命を象徴するかのような植物です。
インディアナ大学ブルーミントン校によると、この植物はウェルウィッチア科で唯一生きている属であり、そのため「生きた化石」と考える人もいます。
放射性炭素年代測定によって、500〜600年生きたことが確認された個体もありましたが、推定寿命は400〜1,500年と考えられており、大きな個体の中には3,000年近く生きてる可能性もあるんだとか…。
2021年の研究では、この植物の驚異的な長寿の秘密が遺伝子にあることが明らかになりました。
今から約8600万年前、この植物に遺伝子が倍増する「遺伝子の重複(ゲノム倍加)」という変化が起きました。
その結果、乾燥や暑さに強い性質を持つ遺伝子が発達し、極端に厳しい砂漠の環境でも生き延びる力を手に入れました。
また、ウェルウィッチアの葉は普通の植物のように新しく生え変わるのではなく、ずっと伸び続けるています。
これは「KNOX1」「ARP3」「ARP4」という特定の遺伝子が働いているためで、このおかげで葉が一生伸び続ける仕組みになっているわけです。
その一つが「CAM型光合成(ベンケイソウ型有機酸代謝)」と呼ばれる光合成の仕組みです。
これは、昼間の暑い時間帯には気孔を閉じて水分の蒸発を防ぎ、夜間に気孔を開いて二酸化炭素を取り込むという方法で、乾燥地帯に生息する多くの植物が持つ適応能力の一つです。
科学者らは20年間の研究の後、ウェルウィッチアが確かにCAMを利用していることを確認しました。
また、この植物は霧から水を得る能力も備えています。
長く伸び続ける葉が空気中の水分をキャッチし、根に送り込む役割を果たしているんです。
さらに、地下深くまで伸びる長い根(タップルート)が地中のわずかな水分を吸収することで、極度の乾燥に耐えています。
ウェルウィッチアは単に長寿なだけではない。砂漠の生態系にとっても重要な存在です。
例えば、ムジスナヒバリ(Gray’s lark)という鳥はウェルウィッチアの周囲で巣を作り、トカゲやサソリ、クモ、昆虫などの小動物たちもこの植物の葉の影を利用して暑さをしのいでいます。
さらに、大型草食動物のウシ科のオリックス属やスプリングボックは、葉をかじって水分を補給します。
ウェルウィッチアは、その見た目こそボロボロで、「世界一醜い植物」と揶揄されることもあるそうですが、実際には、驚異的な生命力と適応能力を持つ「砂漠の英雄」ともいえる存在です。
数千年生きるその生命力、独特の水分確保法、砂漠の生態系を支える役割を持つこの植物には、まだまだ解明されていない謎も多いようです。
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院
5月22日の木曜日でございます。
何でも今日は「国際生物多様性の日」なんだそうですよ。
では元気にネタいきましょう。
アフリカのナミブ砂漠にはまさに自然の神秘と呼べる植物が生息しているそうなんです。
その和名では、サバクオモト(砂漠万年青)、キソウテンガイ(奇想天外)と呼ばれる裸子植物、「ウェルウィッチア」です。
見た目は枯れかけた草のようだが、数千年生き続けている個体もあるといわれるほど、驚異的な生命力を持つといわれています。
この植物は、極限の乾燥環境に適応し、ほとんど雨が降らない砂漠で生き延びるための独自の生存戦略を持っているんです。
さらに、その遺伝子には長寿の秘密が隠されていました。
ウェルウィッチア(学名:Welwitschia mirabilis」)は、アンゴラとナミビアの間に広がる超乾燥地帯「ナミブ砂漠」に生息する裸子植物です。
裸子植物(らししょくぶつ)」は、種子のもとである胚珠がむき出しになる植物のことで、松や杉などがあげられる。受粉は風まかせで、果実がないのが特徴です。
1859年にオーストリアの植物学者フリードリヒ・ウェルウィッチ氏によってナミビア砂漠で発見され、世界に知れ渡ることとなりました。
この植物を初めて目にしたウェルウィッチ氏は、その奇妙な姿に驚き、思わずひざまずいたという逸話が残っているそうです。
ウェルウィッチアは現地のアフリカーンス語で「Tweeblaarkanniedood(ツヴェーブラールカニードード)」と呼ばれ、「枯れない二枚の葉」という意味を持つそうです。
通常の植物は古い葉を落として新しい葉を生やすが、ウェルウィッチアは長い一生の間にわずか2枚の葉しか持たないそうなんです。
たくさん葉があるように見えるのは、時間が経つにつれて葉の先端が裂けて細長く分かれてゆくためだとか…。
実際には最初に生えた2枚の葉が何百年にもわたって成長し続け、風や砂嵐によって裂けながら広がっているだけで、この独特の成長パターンが、ウェルウィッチアの特徴のひとつです。
一見するとボロボロに見えますが、それでも葉自体は生き続けているんです。
ウェルウィッチアの葉は、一度も落葉せずに成長を続けるため、「最も長く生き続ける葉」としてギネス世界記録を持っています。
平均的な葉の総面積は1uほどですが、古い個体ではさらに大きくなることもあるそうです。
葉先が摩耗しながらも成長し続けるため、まるで終わりのない生命を象徴するかのような植物です。
インディアナ大学ブルーミントン校によると、この植物はウェルウィッチア科で唯一生きている属であり、そのため「生きた化石」と考える人もいます。
放射性炭素年代測定によって、500〜600年生きたことが確認された個体もありましたが、推定寿命は400〜1,500年と考えられており、大きな個体の中には3,000年近く生きてる可能性もあるんだとか…。
2021年の研究では、この植物の驚異的な長寿の秘密が遺伝子にあることが明らかになりました。
今から約8600万年前、この植物に遺伝子が倍増する「遺伝子の重複(ゲノム倍加)」という変化が起きました。
その結果、乾燥や暑さに強い性質を持つ遺伝子が発達し、極端に厳しい砂漠の環境でも生き延びる力を手に入れました。
また、ウェルウィッチアの葉は普通の植物のように新しく生え変わるのではなく、ずっと伸び続けるています。
これは「KNOX1」「ARP3」「ARP4」という特定の遺伝子が働いているためで、このおかげで葉が一生伸び続ける仕組みになっているわけです。
その一つが「CAM型光合成(ベンケイソウ型有機酸代謝)」と呼ばれる光合成の仕組みです。
これは、昼間の暑い時間帯には気孔を閉じて水分の蒸発を防ぎ、夜間に気孔を開いて二酸化炭素を取り込むという方法で、乾燥地帯に生息する多くの植物が持つ適応能力の一つです。
科学者らは20年間の研究の後、ウェルウィッチアが確かにCAMを利用していることを確認しました。
また、この植物は霧から水を得る能力も備えています。
長く伸び続ける葉が空気中の水分をキャッチし、根に送り込む役割を果たしているんです。
さらに、地下深くまで伸びる長い根(タップルート)が地中のわずかな水分を吸収することで、極度の乾燥に耐えています。
ウェルウィッチアは単に長寿なだけではない。砂漠の生態系にとっても重要な存在です。
例えば、ムジスナヒバリ(Gray’s lark)という鳥はウェルウィッチアの周囲で巣を作り、トカゲやサソリ、クモ、昆虫などの小動物たちもこの植物の葉の影を利用して暑さをしのいでいます。
さらに、大型草食動物のウシ科のオリックス属やスプリングボックは、葉をかじって水分を補給します。
ウェルウィッチアは、その見た目こそボロボロで、「世界一醜い植物」と揶揄されることもあるそうですが、実際には、驚異的な生命力と適応能力を持つ「砂漠の英雄」ともいえる存在です。
数千年生きるその生命力、独特の水分確保法、砂漠の生態系を支える役割を持つこの植物には、まだまだ解明されていない謎も多いようです。
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院