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2021年05月24日 [動物のこと]

気温と性別の関係。トカゲの場合。

お疲れ様です。院長です。

5月24日の月曜日でございます。

5月も残り1週間となりました。

今日は梅雨の中休みでしょうか、雨は降ってませんが、今年の梅雨は早くから降るねぇ…。

まぁ、梅雨ですから雨が降るのは当たり前ですが、まぁそのうち明けるでしょう。

そして梅雨が明ければ夏ですわ。

今年の夏も暑いだろうねぇ…。

ここんところ、本当に温暖化関連のネタが多いんですが、今日も温暖化が動物に与える影響のお話しでもしてみようかと思います。

爬虫類・魚類・両生類の仲間には、外気温によって生まれてくる子供の性別が決まるものがいます。

その事実が初めて明らかになったトカゲ「レッドヘッドアガマ」は、29度ではオスが、26〜27度ではメスが生まれてくるそうなんです。

そしてご存じのように今、地球は温暖化が進んでいわけです。

これはもう言わなくても分かるように、温度が上がるとオスばかりが生まれてくるので、繁殖に困難が生じるわけです。

そうなると存続が危ぶまれる種もでてくるだろうと専門家は懸念してるわけですね。

爬虫類・魚類・両生類の一部には外気温によって生まれてくる子供の性別が決まるという事実が最初に知られるようになったのは1966年のことだそうです。

それ以降、さまざまな種で外的要因によって性別が決まるメカニズムが研究されてきましたが、気温によって胚の発達が左右されるプロセスはまだ詳しく分かっていません。

最新の研究では、温度によって性別が決まる仕組みを解明するために、オーストラリアの固有属である「アゴヒゲトカゲ」の分子的・遺伝子的プロセスがマッピングされました。

その結果、アゴヒゲトカゲには、純粋に遺伝的なものと、温度によるものの2つ性別決定経路があることが明らかになったそうです。

一般に、脊椎動物の性別を決めているのは「性染色体」です。

大抵のほ乳類の場合、両親からXX染色体をもらえばメス、XY染色体ならオスになります。

これは我々ヒトも同じですな。

アゴヒゲトカゲの性染色体はZZ染色体とZW染色体で、前者をもらった子供はメスになります。

ところが面白いことに、ZW染色体の作用は気温が高くなると覆されてしまうのだそうです。

そのままならメスが生まれるところ、卵の中ではなぜだかオスが成長するようになるそうで、この現象を「ZZ逆転」というんだそうです。

こうした温度によって性別が決まる仕組みを解明するために、オーストラリア・キャンベラ大学応用生態学研究所のサラ・ホワイトリー氏とアーサー・ジョージズ氏は、アゴヒゲトカゲの卵を28度か36度で温めつつ、そこに含まれるmRNA(伝令RNA)を抽出。

どの遺伝子が2種のメス(ZW染色体によるメスとZZ逆転によるメス)を作り出しているのか特定しました。

その結果、発達初期には「遺伝子による発達」と「気温による発達」という2つの別個の経路がありますが、やがてそのプロセスは収束して共通の卵巣が発達する(メスになる)ことが明らかになりました。

進化による変化を何度も経験してきた爬虫類ですが、環境的な要因によって性別が変化するという特徴は、ウミガメからワニまで幅広い種に残っているんだとか…。

このことは、それが進化の早い段階で獲得された古いメカニズムで、それなりのメリットがあったから残ってきたのだと考えられます。

でなければ、どこかの時点で消えてしまったはずですからね。

そのメリットについて、ホワイトリー氏らは、さまざまな環境条件に柔軟に対応するために便利だったからだろうと推測しています。

たとえばアゴヒゲトカゲが生息する乾燥地域は、季節によって気温が大きく変化します。

そうした環境では、気温が高くなる繁殖期の終わり頃に孵化する子供たちは、オスとして生まれたほうが有利である可能性があるんだとか。

オスなら比較的速く成長して、子供を作れるようになるからです。

一方、繁殖期の遅くに生まれたメスが子供を作るには、次の繁殖シーズンまで待つ必要がある可能性があります。

ですから繁殖期が終わりを迎える頃に生まれる子供をオスにしてしまったほうが、それだけ多くの子孫を残せることになるというわけですな。

ところが、人類が地質や生態系に大きく介入するようになってしまうと、こうした外的要因に左右されるメカニズムは大きなリスクにさらされるわけです。

過去にも気温は変動していますが、アゴヒゲトカゲが生息する環境は複雑で、そのために巣作りの候補地はいくつもあり、今日まで生存することができました。

しかし生息域が改変・分断されると、そうした候補地は限られるようになり、温暖化に対応することが難しくなります。

で、結果としてオスばかりが生まれるようになると…。

生物の絶滅の要因は様々ですが、アゴヒゲトカゲのような動物では、性別のアンバランスも絶滅へ追いやる脅威となるわけなんですね。

なかなかな問題ですなぁ…。

この温暖化問題、とにかく地球規模で考えないとどうにもなりません。

これをきっかけに、世界が一つになれればいいんですけどね。

難しいわな(笑)

ではまた〜。


030524



京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院


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