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2019年12月01日 [からだのこと]

(144)サンデーイルネス(仮)パーソナリティ障害について

お疲れ様です。院長です。

12月1日のサンデーイルネスでございます。

あー。

ついに12月に突入でございますなぁ。

いよいよ、この季節がやってまいりました。

12月と言えばクリスマス。

そして年末。

そしてお正月(笑)

ま、お正月は1月ですが、しばらく浮かれながらも、忙しい日が続くことでしょう。

ってな感じで、今日も元気にお送りしましょう。

では今日のイルネス辞典は、「パーソナリティー障害」について解説していきたいと思います。

パーソナリティー障害とは、人が生まれもっている性質(生物学的素因)と環境とにより形成され、思春期以降に次第に明らかになってくる人格の傾向のうち、本人あるいは周囲がその人格傾向により社会生活上の著しい困難を来してしまう病態をいいます。

この障害は一般の精神疾患に伴って存在することも多く、うつ病や摂食障害などを伴うことも多くあります。

では具体的にどういう障害かと言いますと、いくつか分類があり症状もマチマチです。

今日は中でも比較的多い分類を4つご紹介します。


■ 境界性パーソナリティー障害

パーソナリティー障害のなかでは最も多くみられるもので、米国では精神科外来患者の20%、入院患者の10%程度を占めるといわれています。

日本においても、精神科入院患者の5〜10%を占めると言われています。

日本では最近、厚生労働省研究班の治療ガイドラインが策定され、積極的な取り組みを行う治療施設もみられます。

衝動性や情緒不安定性が高いこの障害は、救急外来では自傷行為や過量服薬で受診することが多いことでも知られています。

これらの行為の多くは、患者さんが自殺を直接の目的としていなくて、何とか精神的苦痛から逃れようとして行っている自己防衛的な行動である側面がみられます。

症状の特徴は、親しい者から見捨てられることを避けようとして行う衝動的行動と、理想化とこき下ろしといわれる、対人関係での不安定で衝動的な言動です。

また、付随した症候として、慢性的空虚感、短時間で変化する感情、怒りの制御困難、また、生き方の問題として自我同一性の障害などを伴います。

この障害の大切な側面は、他のさまざまな障害と併存しやすいことです。

うつ病や摂食障害、アルコール・薬物の依存症などにしばしば認められます。

最近では、発達障害のひとつのADHD(注意欠如多動性障害)との関連性も指摘されています。

治療の方法としては、患者さんは情緒的に反応しやすいため、通常の精神療法的接近が困難な場合が少なくありません。

そこで今日までさまざまな治療方法が試みられてきました。

そのなかで最も今日世界的に用いられているのは弁証法的行動療法という治療法です。

これは、認知行動療法と禅の思想を融合させたというユニークな治療方法で、行動療法、個人精神療法、電話相談、薬物療法を多角的に組み合わせて患者さんの自殺や自傷行為を減らし、生活の質を改善しながら、次第に病態の安定化を求めようとするもので、その効果が研究により確認されている数少ない治療方法です。

この治療方法の姿に象徴されるように、この障害は何かひとつの治療方法で対応できるものではなく、さまざまな方法を組み合わせて対応していくべきものと考えられています。


■ 自己愛性パーソナリティー障害

この障害は、傲慢な態度、自分に関する限りない成功、権力、才気、美しさ、あるいは理想的な愛といった空想、誇大的自己像、他人を不当に利用する、他人への共感性の欠如、自己像を傷つけられる体験に対する憤怒(自己愛憤怒)などを症状としてもちます。

現代の資本主義的な競争社会において生き残ることを至上命題としたようなこの病態は、精神分析の研究により描き出された障害ですが、日本の精神科の臨床現場ではあまり診断されない障害とも言われています。

患者さんは特有の尊大さの背後に、自信のなさが強くみられます。

日本人では自己愛の障害は、尊大であるより、むしろ他人に対する強い怯えをもった形で表現されることが多く、典型的な症例ほど医療現場には現れず、クレーマーなどとして社会のなかでトラブルを起こしていたりすることが多くみられます。

あまりにトラブルが多く、本人がこのため抑うつ的になったり、不眠になったりというように付随した症状のために外来を訪れるのが治療のきっかけとなることが少なくありません。

治療の方法は、障害に付随した不眠、抑うつ、また身体不調などに関する対処的治療です。

この障害自体への治療は、自己心理学に基づく精神分析的精神療法が知られています。

この療法は、患者さんの本来脅かされやすい自己像を、治療者が肯定的に評価し共感を与えていくことにより強化していくものです。

数年の時間を要する治療ですが、本障害に特化された治療としては有効な方法であると考えられています。


■ 反社会性パーソナリティー障害(

この障害は、社会規範に反する行動を良心の呵責なく行う人々に診断されるものです。

犯罪者の研究から導き出されたこの障害は、過去にはサイコパス(精神病質)とも呼ばれていました。

男性に多く、知的な印象を受ける場合も少なくないのですが、社会規範や道徳には顧慮(こりょ)はなく、自己の利益や都合といったことを追求します。

このため、やはり自分からこの障害のために医療機関を受診することはなく、多くは犯罪が犯されてから、その原因を検討されるなかで明らかになってくるものです。

本障害はパーソナリティーの障害と呼ばれますが、今日では15歳以前に発症の行為障害であったことが診断基準で求められています。

つまり、発達過程で思春期以前にもっている傾向であると考えられ、何らかの脳機能上の障害をもっているのではないかと推定されています。

本障害の治療は医療刑務所などで、今までさまざまな試みがなされてきましたが、その効果については症例数が限られることから必ずしも明らかではありません。

易怒性(いどせい)、攻撃性については抗精神病薬や気分調節薬、抗てんかん薬が用いられます。

また、患者さんの認知のゆがみに関しては認知行動療法が、対人関係の問題については個人精神療法が行われます。


■ 回避性パーソナリティー障害

この障害は、極端に低い自己評価を背景にして、対人場面で傷つくことを過度に恐れる傾向がり、そのため「自分なんかふさわしくない」という感覚をもちやすく、社会において活躍することを避ける行動となって現れます。

その傷つきへの恐れは、私たちが通常感じるもの以上に過大です。

これは日本人のように謙譲が美徳とされ、賞賛を避けることもひとつの選択とされる文化圏では特に見落とされがちになります。

一方、欧米では有名な賞を受賞しながらその受け取りを避けたり、受賞の知らせを聞いただけで行方をくらます人のなかには、このような問題を抱えている人も含まれているのではないかと考えられています。

また、前述の低い自己評価についてですが、本来は賞賛されたり、受け入れられたいと望んでいながら、それが達成されないことへの不安が高いために、他人の評価を受ける場面を避けるという、いわば「密やかな自己愛の障害」をもつものもこのなかに含まれるといえるでしょう。

この障害に特異的な治療は存在しません。

主治医と相談しながら、自分自身の問題として症状を認識して、過度の自己評価の低下による認知のゆがみを修正していくことが必要です。

また、併存する不安、抑うつ、社会恐怖、不眠などに対処的治療が行われます。

と、長くなりましたがこの障害は、見ての通り幅が広すぎて、キチンと治療できないというのが実情です。

そりゃ、この分類でも分かるように、例えば「自己愛性」と「回避性」では真逆の症状だったりしますからねぇ。

まず、病気については知ることが大事です。

知るだけで一歩前進するわけですから、まずは知識を持ちましょうね。

いかがでしたか。

では次回のイルネス辞典をお楽しみに〜。



okoneko


京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院


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